そんなところで今日はいいはなし~さ~的なお話です。
僕の家の近所に一軒の駄菓子屋さんがあります。
その駄菓子やさんはおばちゃんと呼ばれるおばあちゃんが一人できりもりしていて、
昔は二軒駄菓子やさんが並んでいてその駄菓子屋はちょうど道の裏側に位置していたため
通称「うらや」と呼ばれています。
家も近かったため僕と高松くんと高松くんのお兄ちゃんは毎日のように通っていました。
小学生の頃の1大イベントである「遠足」。
遠足前日の駄菓子屋は遠足用のおやつを買いにくる小学生でいっぱいになるんです。
そうゆう日は僕と高松くんはぶためんのお湯を入れたり、袋につめてあげたり、商品を整えたりとお手伝いをしていました。
あの時の「いつもありがとうね」といってくれた笑顔が今でも脳に焼き付いています。
中学生になってもその生活は変わらず、暇があれば「うらや」に僕たちは通っていました。
皆さんは駄菓子を食べたことがありますか?
美味しいですよ。みんなが知っている「うまい棒」。あなたは何味が好きですか?
僕はココア味が大好きなんです。ちなみに高松くんはチーズ味、高松くんのお兄ちゃんはキャラメル味が大好きです。
そんなことはさておいて高校生になると僕たちは次第に「うらやに」足を運ぶ機会はめっきり減りました。
アルバイトを始めた僕たちは「うらや」営業している時間はアルバイトをしていてまた大きなお金を手にする生活に慣れ始め、学校帰りにコンビニやマックなどに足を運ぶ機会が多くなりました。
そして大学1年の冬、僕はその日は一日アルバイトでした。
僕はおすしの配達をしています。そこに「うらや」からの注文が入りました。
「おばちゃん気づいてくれるかな?」と思いながら配達に行きました。
案の定気づかれませんでした。服装もバイトの服でさらに帽子をかぶっていたとはいえ、
ちょっとショックでした。
その日から数日が経ちちょうどその日は何もなく、うらやに行くことにしました。
お店の中に入ると僕らが通っていた頃の商品は少なくなっていて知らない商品が多くなっていた。
しばらくすると裏からおばちゃんが出てきました。
「あら斎藤くんひさしぶり。この前はお寿司ありがとうね。」
やっぱりおばちゃんは覚えていてくれていました。僕は泣きそうになりました。
「ちょっと待っててね。」とおばちゃんはいうとおばちゃんは裏に行き、「うまい棒」のココア味を出してくれました。
「あんまりココア味は人気ないんだけど、斎藤が好きだったからいつも一袋注文しておくの。」
とおばちゃんは笑って出してくれた。
僕はその笑顔にやられそうでした。
久しぶりに来たうらや。
おばちゃんは髪の毛が薄くなり、しわも深くなり、一回り小さくなってしまった感じがした。
けれどもその笑顔は昔と何にも変わらなかった。
「来年は成人式だね。」とおばちゃんは笑いながらいった。年までもおばちゃんはしっかり覚えていた。そして僕はうまい棒を一袋大人買いして帰った。
今年1月、成人式の日、僕たちは式が終わるとスーツ姿でうらやにいった。その日もおばちゃんはあの頃と変わらない笑顔で僕たちを迎えてくれた。
僕はうらやとおばちゃんがとても大好きです。d-j-b